[あの時の子供のように、少女が上げる楽しそうな声は、少し煩くて。
一瞬だけ睨み付けた彼女は、しかし即座に笑顔になっていた。>>71
何処か納得いかない気持ちを抱えつつも、何故払い落とさないかは分からないが、大凡少女のペースにはめられている、といったところだろうか。
そのもやもやを隠すかの如くフードを被り直す。
そうして、ちゃっかり凭れかかってきていると感じるのは、落とそうと僅か考えた所為であって、絡められた指には2、3瞬きを。
あの時と同じ言葉を今度は質問してくる少女(>>72)に、さて自分は寂しいと思っているのかと逡巡し。]
…寂しくはないですよ。
[そう返した言葉が本当か否かは本人にすら分からず。
唯、自身の内に飼っていた闇が無くなりこそしないまでも減ってはいて。
それでも素直さに欠けるこの人狼の男は、少女のように自分を語ろうとはしない。
いつか、半狐が去っていく少女に漏らした言葉を思い出して、全く似た気持ちになっていると気が付けば、僅か目線を伏せた。]
(73) Penia 2015/01/17(Sat) 10時頃