>>3:279
[しばらく待ってみても、返事はなかった。糾弾のような、不安を吐き出しただけのような呟きだけがネットの海に落ちて、なんの波紋も起こさずに、すっと沈んでいった]
俺は、もしかしたら俺の呟きで痣女が電車に飛び込んだんじゃないかと怯えていた。俺の呟きが直接、彼女を追い詰めたわけではないだろう、だけど、ネットに拡散した無数の好奇心と糾弾が、痣女を追い詰めたのじゃないかと思ってしまった。
こんなつもりじゃなかった。
ただ、自分は今進行しているなにかに選ばれたのだと、浮かれてしまっていたにすぎなかった。
大体、『痣女』なんてどこの誰とも知れない『33番』となにがちがう?
そんなののせいで、今朝、人が二人消えた。
インターネットの海に呟く]
『誰か、今、東京で何が起きてるのか、知っている人はいますか? それとも、なにも起きていないんですか?』
(72) 2015/06/08(Mon) 09時頃