……そうだね。
知らないからまだ持たせているけど……正直、出来るなら今すぐにでも払い落としたいよ。
[今更それを捨てろと言っても彼は聞かないだろうし、自分も鍵には触れたくない。
無理矢理払い落とすという手段もあるが、鏡を使う能力故に加減があまり出来ないのだ。無意味に怪我をさせるのもまずいだろう。
散った紅蓮が宵闇を揺らがせるように照らす。それに少し目を細め、彼の問いかけには目線を向けることなく口だけを開いた。]
……ボクの鏡が正しければ、妖狐。
どれくらい力を持っているかは知らないけど。
[簡略にそれだけを告げると、風が微かにいつもと違うことに気付かないフリをして]
……それは勘弁。狐火に炙られるなんて冗談じゃない。
元より、君に敗れるつもりはないよ。ここは通らせて貰う。
二人一緒に、ね。
[緩い弧を描き左右から襲う焔。
上空へと鏡面を向けると、いつだったか取り込んだ水虎の能力を放つ。
取り込んだ能力を使えるのは一度きり。焔が速ければ火傷を負ったかもしれないが、さしたる問題でもなく焔を掻き消して]
(72) 2014/09/27(Sat) 17時頃