[ ぴちゃ、ん 。
俺の髪から落ちた雫が、鎖骨からシャツの内側へ探索を始めてた。
果実系の甘い香りに惑わされた様に、ほんのり色付いた海君の頬がうつる。
酒が回ってる?未成年の癖に悪い子め。
それでいて、何だよこんな状況で俺に甘えるみたいなそのしっとり濡れたやらしい手は…
…なんて軽口、掠れてつやめいても聞こえる声の前には無用の長物で。
うん。赤い頬も鎖骨も、俺が三センチ首を伸ばせば、舌が届くんだ。
人肌の温さと、酒ぽい甘さと、そして掠れた熱の甘さを含んだ肌に。
こんな時だけ、見た目は俺よりも年上にみえるのに、海君からは後輩相応の不安さと可愛さが見え隠れして。
ああ、どうせこれは偶発的な栄養素。少し位、からかってもいいよね。
ちろっとだけでいいから。
身を乗り出して、舌をほんのちょっと出してみせて。
俺が直接、海君の事を探索してみた…ら… …… ……]
(72) 2015/07/04(Sat) 09時頃