……あー、分かった分かった。分かったから、泣くな坊主。泣き止め。
ったく……これだから餓鬼は。泣けば済むと思いやがる。
[困惑と呆れを顔に滲ませ、溜息と共に片手を上げ。伸ばされた腕(>>62)には、息を吐きながら半歩だけ坊主に近付いてやる。剥がした距離は戻ったろうから、後は抱き付こうが好きにすればいいと。
坊主が抱きついてきたのなら、また息を吐いて頭に乗った籠を退かし。コツンと一度、拳骨を落とした場所を小突いてから、軽く頭を撫でてやった。]
嫌なら、最初から生意気な事を言ってんじゃあねェ。
お前さんがちゃあんといい子にしてりゃ、嫌わんでおいてやる。
[口調はそれは、面倒臭そうなものだったろうが――あぁ、実際餓鬼の子守は面倒臭い。今だってそうだ、何でこんな道の往来で、びーびー泣く餓鬼を宥めんとならんのだ。
それでも、泣きやんで貰わんと困るモンで。撫でる手だけは少しだけ優しくしてやったが……この様子だと、気付かんだろうが。]
(72) 2015/04/10(Fri) 12時頃