[僕はバーナを見つめながら>>60どうして
サドーが居る
と、あの2人へ呟かなかったのだろうと考える。
それは、バーナが彼の位置を掴んでいたなら催涙弾を投げようという目論見だとか
できたらサクラバに来てほしくない僕の我儘だとか
聞こえる筈もない自分の声すら拾われそうという恐怖だとか
いろんな物が混じっていた気がする。
でもその中に、サドーと話がしたいと思う己が混ざっていると気付いた時、渇いた喉が砂漠のように熱を持つ。]
…………っ……は…
[それはほんの小さな吐息だったから、皆に聞こえるかどうかはわからない。
僕がいま、サドーの名を言わなかったせいでバーナを死なせてしまったら
あの人の「したいこと」は壊れてしまう。
きっと僕も死ぬ程後悔する。
わかっているのに出ない声を噛み潰すように、僕の奥歯がぎりと鳴った。**]
(71) 2015/03/11(Wed) 18時頃