ハーハーハー……。
[扉の蝶番付近にもたれかかり、荒くなった息を整える。
落ち着こう。とりあえず落ち着こう!
深呼吸深呼吸スーハー。うん、大丈夫。ノスフェラトゥじゃなくて、使用人の男の子が出てきただけじゃない。ビビるなーあたしビビるなー。目的はノスフェラトゥなんだぞー。
なんとか素数を数えるまでいかなかった思考を必死にまとめて、そこではたと気づいた。
今、この子、使用人って名乗らなかった?
そろそろと振り返り、マジマジとオスカーを見つめる。
若干感情に乏しい風に彼女には見えるが、まさかこんな子がノスフェラトゥに……?
そこまで考えを巡らせていると、招待状の提示を催促された]
あ、ああ、えっと……、これでいいかな?
[皺くちゃの招待状を差し出しながら、"今は"という言葉を華麗にスルーして、危害を加えないという彼を見ながら、し、信じてもいいんだよね? と心の中で絶叫した]
(71) 2014/11/01(Sat) 01時半頃