─秘密の部屋を求めて─
[どこからか花の香り>>58が広がるのは気のせいだろうか。
5年振りに飾られた廊下の一輪挿しはまだ知らぬところ。
されど、何かが起きるような予感に背筋が微かに震え、正された。
書庫に、ピアノ室に、厨房に。
様々な用途に扱える意味ある室内が散りばめられた屋敷の中、闊歩する。
ジェフの足が止まったのは、ある一つの小部屋の前>>0:358
姪っ子の部屋に入る機会は、彼女が大人びるごとになくなってしまったから今はどうなっているかは知らぬところだが、ここが姪っ子の部屋でないことは理解できるし、]
使用人の部屋でもない…。
[そう、誰の部屋なのか、何のための部屋なのかジェフには皆目見当つかなかった。
試しにドアノブを捻ってみるが鍵がかかっているようだ。
これこそポーチュラカの出番ではないか、と思案する男が一人]
(70) 2016/07/31(Sun) 15時半頃