[誰かの手が、背中を撫でる。>>21
そっと、何度も繰り返されるその動き。
それをしてくれているのが誰か、どうしてそうしてくれるのかを考える余裕さえ失せていた。
同じように、目の前に屈みこんだ誰かのことも上手く認識できない。>>41
だけど「痛い」って単語だけが、やけに鮮明に耳に届く。
ぷつり、と、何かが切れてしまったような気がした。]
……体育館のマネキンも、血が、出てた、
[まるで、ひと1人分の血をぶちまけたように、赤く、どこまでも赤く。>>2:#4]
血が出たら、痛いでしょう、……!?
私、あんなひどい怪我はしたことがないけど、
だけど、それぐらい想像つくよ!
[折れないように、立てるように。ずっとそう唱え続けていた反動なのだろうか。
押し寄せる、感情の奔流。
止まらないし、目の前の人物がどう思うかを考える余裕もない。]
(69) 2015/07/10(Fri) 19時頃