[やはり自分は無力なのだと。
だから大事な半身《セカイ》を喪ったのだと。
落ち始めた意識の中で思考を巡らせていた。]
もっと…もっと強く…誰よりも、何よりも……
[思い出すのは禁忌としたあの薬…。
同時、銃から発射された殺意>>59が異形の頭を貫き、ついには絶命した。]
……けほっ…助かった…の?
[服は裂かれて半裸、巻きつけていた小瓶は全て割れて、辺りは毒の沼のように。]
……こういう時女性を助けるのは白馬の騎士よね。
いつも思うんだけど、もう少し早く助けてくれていたら、苦しみが半減したんじゃないか?とか、顔やら身体に傷が残ったらどうしてくれるんだろうとか、色々考えちゃうわよね。
[助けてもらったにも関わらず、大きく上手に出て、それでも息を漏らして。]
助かったわ…ありがとう…少年…えっと、トニー君もわざわざありがとうね。
(69) 2013/05/25(Sat) 01時半頃