[そんな名前じゃない!そう叫びたかったけれど、口が動きません。だって名前ごと少年は手放されてしまったのですからそこに込められた思いも何もかもお金と引き換えに売られてしまったのですから。夢から抜け出す方法があるのならば少年はきっと、それを試したことでしょうけれどそんな方法を知っているはずもなく夢の中を足掻いて足掻いて、雁字搦め。息もできなくなった頃『どり』と、優しい声が降ってきて暖かな眠りへと、沈んでいったのでした]
(69) 2018/06/13(Wed) 20時頃