[田原はどうしただろうか。こちらに近寄ってきたとしても、その場に立ち尽くしていたとしても、どちらにしろ、男は彼に向けて開いた手をぐっと伸ばしたことだろう。
一時でもいい、静止を……少なくとも己に近づくことだけでも、避けるよう願いながら]
田原先生……俺には、近づかないようにしてくだ、さい……。
俺、は、感染している可能性が、あるそうです……。
クロエさんに、調べて、いただきました>>4。
あ……クロエさん、は、ご無事です。
生物学教室の中に、おります、から。
ですが、もし俺が感染していたら、いつ、変異を遂げてしまう、か……。
[そこまで口にし、男は、はっと、何かに気がついた。
そうだ。彼に己が感染しており、意思なき襲撃者となり果てるとしたら……それは、「いつ」のことなのか。
男は背中越しにリンダに向けて、再び問うた]
(69) 2011/12/03(Sat) 16時半頃