[勿論、それだけではない。薬の基になる薬草などを育てたりもしているから土の匂いには慣れているはずなのに、今対峙している相手からの臭いは妙に鼻について仕方ない。ともすれば、走って逃げだしたくなるような。俺がそう感じるなら、すぐ傍に居るラディだって、もしかしたら──]── ラディ ![そう思った瞬間、傍らの彼女の名を強く叫んでいた。彼女の目に何が映っているのか、彼女の中でどんな思いが生まれているかは俺には分からないけれど]
(68) 2018/03/22(Thu) 00時半頃