留学も最終日間際。ツヴァイクでの活動は今日が最後なんだよね、と告げると『帰ってまうんか』といった彼の言葉にはほんのり寂しさが混ざっていたように感じたのは、自意識過剰だろうか。
まあ、自分自身寂しかったから、それもあってだろう。ゆるりとあげた口角とは裏腹に、軽く八の字になった眉で、ばれていたかもしれない。]
帰るよー。だって学校あるし。
それに、さ。俺には、帰らなきゃ
いけねえ場所も…あるからよ。
[なんて、悟られたくなくてわざとふざけた口調に、ごまかされてくれていたらいいが。
そして彼に告げたのだ。まだ、ラルフにも言っていないこと。]
また帰ってきたいしさ。ここに。
前おーさかが言ってた、外国語大学
志望しようと思ってるんだよね。
[にへら、と笑う。かつて、彼が提案してくれたこと。その時はまだ実感がわかなかったけれど、今なら確かに言える。絶対にここに戻ってきたい。
そのころはまだ163cmしかなかった身長を、ぜったい伸ばして帰ってきてやるからな!と宣言して。]
(68) 2015/11/20(Fri) 12時半頃