―生物学教室の前で―
介助用レバー>>42……いえ、失礼しまし、た。
この、車いすの後ろから飛び出している。2本の棒……「手押しグリップ」です。
車いすごと、俺を倒してもらえれ、ば、俺はたぶん、這うことしかできません、か、ら。
理性を失ってしまっても、俺の足は動かない、はず……。
なら、も、もしかしたら……車いすの操作くらい、は、学習してしまうかもしれない……。
[背中を向けたままリンダに付け加えた。
そうだ。倒れてしまえば仮にこれまで見てきた死者たちのようになってしまったとしても、誰かを襲う力は極力削ぐことができるはず。
沈痛な思いで体を震わせる中で、ふと、誰かの視線>>48を感じた気がし、そちらに首を向けた。
そこにいたのは]
た、田原先生……。あぁ、よかっ、た。
よくぞ、ご無事で……。
(68) 2011/12/03(Sat) 16時半頃