【人】 放蕩者 ホレーショー

―　14号室　―

[また煙草に火を点けて。
　扉の外、悪魔の気配を感じながらも、目を閉じて、身体をゆるく揺らしている。
　子守唄を聞いているようなぼんやりとした穏やかな時間。

　でも、確かに、死の匂いは迫ってきているのがわかる。]

　　――……ああ、濡れてるな。

[見れば、部屋の片隅、空気は酷く冷たい。
　そして、ぼんやりと画面が点滅する。

　部屋だったり、何か廃屋だったり。
　そして、ふと手を見れば、それは、生微温い液体がぬるりと、止めど目もなく……。



　色は赤い。]

(67) nostal-GB 2013/02/27(Wed) 00時頃