[顔を顰めて返す那由多に、ぐ、と押し黙る。>>60
ついでに、健五郎まで那由多を援護するように言葉を重ねるものだから、なおさら分が悪い。>>63
そもそも3対1で多勢に無勢、だとか。そんなことの前に、向こうが言っていることの方がが正論だって思ってしまって、どうしたって押し負けてしまいそうだった。
分かってる。秋野が傷つけて、そのまま話すことなく帰ってしまったひなこにだって、もう謝れない。>>3:195
こんなところで終わらせるぐらいなら、帰ってもう一度向き合う方が正しいことだって、全部分かってる。
だけど、謝って許してもらえることなのか、とか、あの絶望をもう一度味わえっていうのか、とか。
言いたいことは山ほどあったのだけど。]
……うるさい、ばか。
[口から出たのはそんな幼稚な言葉だった。
殴られても文句言えないな、と頭の隅っこで思う。
正直、さっきの一度で、毒の弾が尽きてしまった気がする。もう何も言い返せる気がしなかった。
せめて、と、那由多を睨み返す。]
(67) 2015/06/29(Mon) 10時頃