[女は最後の相手になりたがると言うが、男は往々にして最初の相手になりたがる。酒場で何百回と薀蓄げに語られた小話。けれど、決して間違いではない。―――この男も例にに漏れず、その通りであった。ビリーに親愛以上の情を抱いているとは思わない。しかし、そんな正論で流せるなら、その感情を恋とは呼ばない。彼が二十年も前に決めたことに、今更嫉妬する。既に三十路の峠は越えたと言うのに、稚い悋気を隠せない。彼の心臓が誰のものであるか。可愛いトレイル坊やは誰の伴侶であるのか。己は、それを彼と―――ビリーに教えるために、やってきた。左右の胸の尖りを、それぞれ柔らかく指腹で圧し。彼の全てを手に入れる予感を教えた。*]
(66) momoten 2014/02/08(Sat) 21時頃