>>64
…ありがとう。
[少女は自分の目線に気づくと、頷いてペンを走らせた。礼を言いながら、投票用紙を受け取り、自分の名前でないことだけは確認する。もっとも、まだ名乗っていないのだから、書かれているはずがないのだが。
少女に続いて投票箱に用紙を入れたところで、彼女は自分を朝食に誘った。]
…え…
[思いがけない言葉に、一瞬固まる。]
予定は…ないけど…
…あんたこそ、怖くないのかい?
こんな見ず知らずの人間を、自分ちに呼ぶなんて…
[正直気乗りしなかった。他人の家に呼ばれるなんて今までに経験したことがないし、先ほど感じた嫉妬心のこともある。それに、食欲もない。しかし、なぜだろう。にっこりとほほ笑む彼女を見ると、断りきれなかった。]
…パティ、だよ。
[少女にならって自分も名乗り、戸惑いながらもついて行っただろう。]**
(66) 2013/07/26(Fri) 01時半頃