164 冷たい校舎村3-2


【人】 琴弾き 志乃

[ 何時も通り登校したその日、
 教室に寂しく置かれていた花の意味を、
 あの時の自分は、知っていた。
 
 黒の服を着た母の手を握り返して、
 おぼろげに記憶にある、父の。
 その写真の周りにあったものと、思い出と。
 きっとよく、似ていた。

 あれは、もういない人が居た場所に現れるもの。
 だけど決して、その人の代わりには、ならない。 ]

(66) 2015/07/08(Wed) 10時半頃

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