─ 遠き夢路 ─[最初に浮かんだのは、何も考えずに笑う、子供の姿。『まもるからね』と。何の根拠もなく、そう言いきって、笑って。……その頃はできると思っていた、やると決めていた。でも、現実は──厳しくて痛くて冷たくて。手を伸ばす事すら許されぬ高見から伸びた手に、『護る』と決めたものは奪われた。最後に見たとき、泣いていた。それが悔しかった。何も知らない子供が空回りしていただけ──とは、今だから言えることだけど。『あの時』は、ただ、悔しくて、苦しくて。……もう、あんな思いはしたくない、というのは、偽らざる、本音]
(66) 2013/11/19(Tue) 16時頃