>>18>>19
──…そいつは、アンタの事かい。
[変わりたくても。…紡がれる言葉は、己の胸のうちにも抉るような鈍い痛みを齎すものであった。だが、それを真正面から認める度量がまだ無い自身は、緩いかぶりを振って、何か誤魔化すようにも相手の瞳へ横目を漸く僅かに戻して問うてから──再び、手元のリストに視線を移した。
『BOO』──知らない訳はなかった。かつて仕事としても関わり>>0:264>>0:265、以後断片的なものながら個人としても情報収集を行っていた、反政府組織と思われる集団の通称。…『政府の犬』として今この時に、彼が欲しがる、情報?…対価への期待よりも、彼の意図への興味がより己を引き付けていた。思案気に、少しまた下唇を湿らし、指間で挟んだ紙を揺らして頬杖をついた]
……。…俺が『思い出し』たら、どうすんだい。『こいつら』を。なあ、正義の機動隊さまよ。
[…リストの中。己にはよく覚えのある、若い男の名前もあった。かつて自身が引き込み役として接触を図り──少し前に封鎖線辺りで単なる死体に変わっていたと風の噂で聞いた、男]
(66) 2013/07/24(Wed) 01時半頃