わ、っ。
[胸元に宛てがわれた掌に、一瞬、心臓がすごい音を立てた気がした。
もしかして気付かれてやいまいかと焦ったところで、鼓動がそう素直に鎮まってくれるわけもない。]
なんでも、って……!
[>>56それにしては顔が赤い。
やはり熱があるのではと思ったが、額に触れている自身の手も、大概熱を帯びていて、検温の役目をまったく果たせていない状態だ。
何か言いたげなのを察すれば、不安と困惑に眉を寄せ、一旦、彼の額から手を離す。
シャツの捲れた素肌に、直接触れてしまっていたことに気付いたのは、その直後。
支えたままでいる掌が、ちょっと汗ばんだような気がした。]
あ、ぁぁ……確かにちょっと、暑
ですね。
[ライジの言う通り、部屋の中が暑いのか、こっちの体温が上がっているのか。
いや彼も暑いと言っているのだから、部屋がそうなのだろう。
まさかむこうも、自分に好意を寄せていてだなんて、そんな妄想はあまりにも都合良すぎる。]
(66) 2015/11/12(Thu) 19時頃