― ホテル・ラウンジ ―[人のいないホテル。 だけども、カウンターの中は整頓されており、、 コーヒー紅茶のみ、淹れることは可能のようだ。 カウンターの背後に並ぶ酒類は、飾りになっているが、中身、入っているものもある。きっとそのまま放置されているものだろう。酒だから、幾年かたっていても大丈夫かもしれないが、ミチルはそれには視線すら投げない。 やがて沸いた小振りの薬缶からポットに湯を注ぐ。 それから、さくらんぼを誂えたティーカップに深みのある紅色を注ぐと一口含んで柔らかく笑った。] この味なら、閣下も喜んでくださるわ。[それは、本当に穏やかな笑み]
(66) 2011/06/14(Tue) 02時頃