[眠い目をこすっていた時だ。周囲の騒ぎに耳を傾けていたのと、夢みたいな状況だったせいで、近くの席に若者が腰かけてくれたことを夢だと思い込み、立ち上がっていた>>63。]
( 夢じゃなかったのか。 )
[悪いことをしたと表情を曇らせたのは、自分がいた席の近くにいるハートのパッチピンの若者の姿を見つけたから。
申し訳ないと表情に描いて秋夜と名乗っていたのを耳に入れた>>54彼の傍らへと立つ。]
先ほどはすまなかった。
……寝起きでこの景色だったからね。
君も夢の一部か何かと思っていた。
[無視して立ち上がったことを詫びる。
夢現でも確かに耳にしたことは覚えていて>>59。]
聴こえていたかもしれないが、目的地は最終、雨乃風駅。
……私自身が耄碌しているかもしれないから、おにーさんじゃく、おじさんで充分だよ。
[なんて、自分の間抜けさに肩を竦めてみせた。]
(66) 2016/08/14(Sun) 22時頃