………。[誰かが、俺を呼んでいる?いつの間にか気絶していたのだろうか。目を開けることが億劫だ。その考えを打ち消すかのように俺の名をもう一度呼ぶ声。それは、知っているもので]……くら、リス?[瞳を開ければ、赤目とブラウンが交差する。朧気な意識は、徐々に浮上し、状況を呑もうと脳を回転させる]……なんだ、んな泣きそうな顔しやがって………。らしくねぇ…[薄らと口元を歪め、笑みを浮かべる。残念ながら、うまく立てそうにない。脚の切り傷が、思った以上に効いているみたいだ。]………なんの、ようだ?[この様子では、殺しに来たのではないように思うが、果たして。]
(65) 2016/02/20(Sat) 21時頃