―回想/5月1日午後5時半 薬屋「三元道士」店内―
用事ガあルなら入っテくルだろうシ、他で済ムなラウチにハ来ないヨ。
[捻くれた言葉>>22にはニヤリと口端歪ませて減らず口。
数時間前に見たナユタの顔が扉の間から覗くと大げさに両手を広げて歓迎の意を示す]
ンン?何の事カワタシには分からナイヨ〜
――ふム、おウチの人用ネ。どうイウ症状なのカナ?
……あ、“流行病”ノお薬ハ用意出来なイヨ?
[『みっともない所』と言われれば唇に人差し指を押し当てて首を傾がせる。元々誤解されやすい身であるのは自覚している為、勘違い自体は気にしておらず咄嗟に理由が思い到らなかった。
数時間前の記憶を思い出そうと思考へ伸ばしかけた手を、仕事の話を聞けばあっさり引いて詳しい話を聞こうと。
言い添えたのは、数日前に家族が発症したと泣き付いてきた男の事を思い出したから。
そうでなくとも感染症騒ぎで自分を頼る者は少なくない。元々痛む胸など持ち合わせては居ないが、何度も同じやり取りを繰り返すのは面倒ではあった。
ふと、彼の視線が強く此方に注がれている事に気付くと目を瞬く。次いでくすりと悪戯っぽく微笑うとその瞳を覗き込んで]
……見惚レたカ?
(65) 2013/07/24(Wed) 01時半頃