221 ヴェルル女学院3~小夜啼恋歌~


【人】 読書家 ケイト

― 桜の頃の保健室 ―

  先生、先生っ……。
  指って腐ることもあるってほんとですかぁ…あれ。

[深く刺したせいで熱を持って腫れただけの左手の薬指。ヘルプ!と駆け込んだ先で会ったのが初めてだったかな。身体測定まだだったし、教職員の紹介とか、マジメに聞いてなかったのです]

  保健室の先生若返っちゃったの!
  へっ、へい彼女、お名前はー?

[驚いた勢いであほみたいなタメ口が飛び出して。
 前の私を知らないひとだし、いっか、なんて。

 最初半泣きだったくせに、時々あっけらかんとお邪魔するようになったのでした*]

(65) 2017/07/07(Fri) 15時頃

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