とりあえず、ティッシュ、はい。
靴下とか、汚れるよ。
[そのままじゃ、ソックスはおろか、まだ真新しい制服だって汚してしまうかもしれない。
そう思って、鞄の外ポケットからティッシュを出して、手渡してみる。
生憎、絆創膏の持ち合わせまではないから、それは保健室か、或は彼女が持っていることを祈って。
そうしてティッシュは受け取ってもらえたか。
なるの視線が自分を通り越し、少し困惑したような声を零すのに首を傾げる。>>46
振り返れば、閉まりゆく窓。]
……あ、古ぴょん、
[なるなら、大丈夫そうですよー、と。
そんな安心感を投げるように、わざとふざけた調子で呼んでみたけれど、既に閉まってしまった窓の向こうには、きっと届かなかったかな。
キャンバスに描かれた空の代わりに、ほんものの空の青が、閉じた窓ガラスに映っていた。]
(65) 2016/04/08(Fri) 20時頃