[ぷるぷるしたものは、談話室に向かう。]
[すでに何名かいる様子の談話室に、タイヤがキュッと止まった。
中のものは、ぶるん、と慣性の法則により大きく揺れた。]
コンニチは!
[抑揚の少ない電子音が公用語として生成、合成され、土台のスピーカーから聞こえる。]
[航行を開始して数日。
ときどき談話室に現れるこのぷるぷるした生き物は、キンジン星人。やや、珍しいとされる種族。
芯石と呼ばれる石の生命体をコアに、水気たっぷりの有機物でそれを覆い、星人同士が芯石の共鳴、のようなもので会話をする生き物だ。
他の種族とは共鳴では会話できないため、もっぱら音声翻訳機でコミュニケーションをとることは、すでに会話をしていたものは、知見の広い方は知っているだろう。]
(65) 2020/08/22(Sat) 22時半頃