手放そうと思ったものも、執着してるものも、今の俺には無い。
だが、そんなものがあったら諦められないだろうな。
――それの何が悪いんだ。
誰だって、きっと……割り切れないものがある。
だから埋め合うんだ、その穴を、皆で。文化祭が楽しかったように。
他の事をしながら、考えながら、楽しみながら。
ゆっくりでいい、時間がある限りゆっくりと考えていけばいい。
一人で抱え込もうとするな。
[秋野が抱えていることは分からない。分からなくてもいい。だから、踏み込まない。
ただ、困っていることがあるなら頼ってくれていい。
悩みの内容は打ち明けられなくても、辛い時に一緒にいてやることぐらいならできる。それだけを伝えたかった。
この先、受験だったり進路だったり――すぐに待ち受けているのは大きな壁だけれど。
壁を乗り越える手伝いはできなくとも、互いを励まし合うことぐらいはできるはずだから。]
(64) 2015/06/29(Mon) 05時頃