――水曜日/食堂にて――
[あの約束をしてから、宣言通り色々な楽しみを黍炉に教えた。
しかし、どれ一つとして、彼の心に響くものは無かったようで。
そして、想定していなかったタイムリミットは、刻々と迫っている。]
[食堂では、黍炉とセシルが一緒に座っていた。
いつもの調子で朝食を取りに行き、彼らの近くに座ると、黍炉があの時の話をし出す。>>1:70]
忘れてる訳ないだろ、ちゃんと覚えてる。
でもなぁ…あれだけ数やって、何にも響かない方がおかしいっての。
[責任転嫁なのは分かってるが、言わずにはいられなかった。
大抵の娯楽は、知識として黍炉は知ってしまっているんだ。美味しいもん食わせても実家でかなり良いもん食ってるし、名作は大抵話知ってるし…!
実際にやらせたものもあったが、それもピンと来ていなくて…。
正直、有力なものはやり尽くした。はっきり言ってお手上げだ。]
でもなぁ、僕はまだ諦めてなんかないからな。
絶対死にたくないって泣きつかせてやる。
[そう自信ありげに答えたが、果たして彼にはどう映っただろうか。*]
(63) 2016/05/09(Mon) 18時頃