…………、え、…俺を?
そう…、そう、か。………あぁ、いや、その。嫌とかじゃあない、なくてな。
――すまない、まさか貴方に誘って貰えると思ってなくて、……あまり人にそうして誘われるのは慣れてなかったから、驚いた。
[――あぁ。墓穴を掘っている気しかしない。
俺はただ、"誘って貰えて嬉しい" と、ただそう言いたいだけなのに。
それを邪魔するのは、またもこの厄介な感情だ。
彼は気を使って、そう言ってくれているのではないだろうか。
本当は他に同室になりたい人が居て、こうなってしまって内心では残念に思っているのではないだろうか。
その上俺のこの反応だ、……嫌がられていると、誤解されてしまってはいないだろうか。
ぐるりぐるりと不安ばかりが渦巻いて、それを解消する言葉は一つも出て来ない。
けれど、このままではあんまりだ。彼が気を使って言ってくれたのだとしても、この反応のままでは誘ってくれた彼に対して失礼過ぎるじゃあないか。]
(63) 2015/11/20(Fri) 12時半頃