>>60
見惚れルには見過ぎタかナ。
トーイも化粧してみル? それなラ見惚れルかもヨ。
[顔馴染みの顔に新鮮味は感じなかったが、顔に飽きた訳では無いのは彼自身身体で解るだろう。
彼の胸中は知らぬものの、腰辺りに落とされた普段通りの彼か、と。
ただ何処か曇るような声音に、寄せられる顔は普段なら軽く頭を叩いてやるところだが、ほんの少しの珍しさに興味惹かれたらしく、扇子で彼の笑う唇にやんわり触れる程度に止めて]
――それなラ、ワタシはトーイの舌をもらおうかナ。
よく回ルから、柔らかくて美味しそウ。
胃薬ネ。出してもイイけド、ご飯食べなイと駄目ヨ。
それニちゃんと寝てル?
[傍から聞けば病で過敏になった者は意識するかもしれない。それでも平素と変わらぬ食えない笑みで告げると、彼の横から抜け出すように立ち上がり。
気遣うような言葉は、労りにも単に営業トークの延長とも取れる]
(63) 2013/07/17(Wed) 20時頃