[街のはずれまでくると、人影もまばらになる。
心細さを胸に、少女は一人ごちる]
こんなことなら誰か誘えばよかったかしら。
[学校の友人たちの顔を思い浮かべてみる。
ソフィア――は、いつものように教会に通うだろうから無理。
ポーチェ――まさか憧れのグロリアの妹をそんな危険な場所へ連れて行くなんてとんでもない。
テオドラ――名前だけは女でも、男の子を誘う勇気は無い。
マーゴ――今日は久々に姿を見たけれど、帰りにはもういなかったから無理]
私、友達少ないなぁ……
[改めて思う事でもなかったが、重いため息ひとつ零して
少女ははたと立ち止まる。
見たことの無い場所まで来たは良いが、
どこにその洞窟とやらがあるのか皆目検討もついていない。
一度出直したほうが良いかと思ったところで、
帰り道がわからなくなっている事に気づいたのだった**]
(63) 2011/10/08(Sat) 08時半頃