[ 彼女の片手には箒が見えた。
過去を何となしに思い返していた矢先の箒である。ぶんぶん手を振りながら上機嫌な彼女に手を振り返しつつ、甦るのは苦い記憶。 ]
御機嫌よう、クラリッサ。
元気ねぇ。
[ マグル出身の相手に笑顔で、普通に応対する。
一般的なスリザリン生ならあり得ない反応も、自分に限っては最早誰もが見慣れたものだろう。
名前で呼ぶ程度には、彼女と話したことはある。
それ以外でも彼女の名前を耳に入れることは多かった。突拍子もない行動で有名だからだ。
同じ寮長でありレイブンクロー生のヴァンからも、幾度か聞いた気がする ]
……う、うぅっ!?
その覚え方は無いでしょう……!
[ 空飛ぶの下手くそだった子。>>61
ぐっさりさっくり抉られる古傷。踏み抜かれていく地雷。
いっそ清々しいまでの空気の読めなさ。感嘆さえしそうだった。 ]
(63) 2016/02/09(Tue) 22時頃