─5月7日 未明 繁華街ビル地下─
>>51
[寒い…。室内の異様な冷たさに身震いをしながら1歩踏み出したところで、衝立への向こうから声がかかる。やはりこの声はトレイルだと確信する。平坦に響く問いかけは、聞けば一瞬穏やかなように聞こえるが…。マドカは、無意識に声の元へ踏み出そうとした足を止める。]
あの、トレイルのさん…ですか?
助けてもらったお礼がしたくて…。
[こんな時間に迷惑だろうか、すこし緊張した声色で、話しかけ、遠慮がちに衝立へ近づく。
マドカはルーティエの元から自宅へ帰ったらあと、不眠不休で動いていた為、疲れから、翌日をほとんど寝て過ごしていた。そのせいで、町会便りの内容を把握できておらず、まさかトレイルに感染の可能性があるとは微塵にも思っていなかった。
今なら食材を持て余すほど持っている。恩返しがわりにすこし渡せるのではないかと考えていた。]
(62) 2013/08/01(Thu) 22時頃