─ 朝:教室 ─
[それから、右拳に消毒薬をぶっかけたところまでは記憶がある。
恐ろしいくらい滲みた。何より痛い。
岩動 呉の右手はぐるぐるまきです。
夢も見ない、深い深いどこか。チャイムの音で岩動 呉の意識は浮上する。
どうやら机に突っ伏して眠っていたらしい。見兼ねた誰かが寝袋を上に置いていったようだ。シュール。そして肩が重い。
時間を確認すれば8時50分。アナログ時計には日付表示はあるけれど、細かい字を読むのは面倒だから、気にしないでおこう。
普段なら、遅刻だなあって、優等生岩動 呉は思います。]
身を起こして、ちょっとぼんやりタイム。あんまり寝起きの良い方ではないので。
何か悲鳴のような声が届いたとしても、岩動 呉の身体が恐がるように跳ねた以外には、特別な行動もなく。
少し、たちました。懲り固まった方と腰をゆっくり回した。
そうして、また。文化祭の世界へ、足を踏み入れた。
ちょっと、お腹が減ったというのも、あって。]
(62) 2015/11/05(Thu) 18時半頃