[声を掛けるタイミングだとか、あるいは選ぶ言葉だとか。
元々そういう事は得意とはしていないというのに、相手が彼となればその不器用さもさらに増す。
タイミングを計り損ねたのか、言葉を選び間違えたのか、或いはその両方か。
振り返ってくれた色白の肌>>45は歪に歪み、どう見ても "歓迎" はされていないように、思えて。]
………、そう、か。
ならいいが……、その。……、いや、何でもない。
[彼の顔色は、目に見えて青い。
流石にそれを見れば、"大丈夫"でない事くらいはしれたものの、彼の言葉を否定する気になんて、なれなかった。
あぁ、まったく。体調の優れない彼に逆に気を使わせてしまうとは、何たる体たらくだ。
その上、何とかフォローを入れようと開いた口は、結局意味の無い言葉の欠片だけを落として閉じてしまったから、情けないったらありはしない。
――けれど、彼のこの反応はきっと正常なのだろう。
心を許した相手なら兎も角、"ただの友人" に弱みを見せるなんて、逆の立場ならばきっと俺もしないだろうから。
……自分が彼に弱い所を見せたく無いのは、また別の理由があるからなのだが、それは今は "関係の無いこと"。]
(61) 2015/11/20(Fri) 12時半頃