……ああ、残念だな
[閉校の知らせ。あの懐かしい学び舎が亡くなるという、ひどく切なさを刺激される手紙。
大成するまではと意図的に連絡を絶っていたから、先生方が今どうしているかなんて知らないけれど、元気にしていれば良いと、ずっと思っていた。
親友や愛しい後輩たちや、麗しの先輩方が、まだ笑顔でいてくれたらいいと、ずっと願っていた。]
先生
……木屋先生。
お元気にしていますか?
芦屋は、会いに行けるだけの実績を積んでいるんでしょうか
[手紙で目元を覆って、切なく問う。
昔々に封印した想いが、びっくりするほど鮮やかに流れて、会いに行っていいかという不安が押し寄せる。
性格に似合わない可愛らしい名前が大嫌いだった。
そんな名前をつけた両親すらも嫌いになりかけていた。
そんな、随分と傲慢で迷走した感情を導いてくれた、恩師。]
(59) 2017/01/28(Sat) 03時頃