ー過去の話ー
[ほんの数年前のことだ
噂に聞いたり本能で知ってもわからないことだらけの自分に色々と教えてくれた獣の先輩がいた。
契約は血に刻まれたもので、その時になれば仕えるべき少女がわかる。と明るい月の下で彼はそう言っていたか>>47]
へぇ、人間の言う”恋”ってのよりは確かなんだな
[ふと旅の途中で目にして来た不確かな人間の感情を思い出せば何と無く口にする]
そりゃつまり”美味い”って事か?
[言葉の意味を味と履き違えた幼い狼は目をキラキラさせ……どちらかと言えば食欲を前面に押し出していた]
最初は面倒そうだと思ったが…何だ、見合うもんがあるってんなら楽しみってもんだ
[彼女は、若い。故にその性格は転婆であり、”少女”を”餌”という側面しか知らなかった彼女に先達の思いを知る由もない
それから何年も時が経ちーーー彼に託されたムーンストーンを胸に彼女は何か変われたのだろうか?*]
(59) 2015/10/05(Mon) 09時半頃