171 獣[せんせい]と少女


【人】 地下軌道 エフ


[その時の私は髪の毛も白く
瞳は真夜中のネイビーブルー。

そして今と大きく違うのは
螺旋にうずまく一本角を生やしていたことか。]

[白い一角獣に跨る少女は長い艶やかな黒髪。
つり目の凛とした瞳は黒い森の暗さ。
身に纏うは漆黒のローブ。] 

[対称的なその出で立ちは道行くものの目を
少女と獣であるという以上に惹きつけていた。

少女はいつだって強気で短い命を精いっぱい生きていた。
火薬を使って燃える燐寸のような、そんな生き方だった。

彼女の命が燃えれば燃えるほどに
首のあざは濃く、広がっていって
それはチョーカーのような模様を模していった。]

(58) 2015/10/11(Sun) 12時頃

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