[その時の私は髪の毛も白く瞳は真夜中のネイビーブルー。そして今と大きく違うのは螺旋にうずまく一本角を生やしていたことか。][白い一角獣に跨る少女は長い艶やかな黒髪。つり目の凛とした瞳は黒い森の暗さ。身に纏うは漆黒のローブ。] [対称的なその出で立ちは道行くものの目を少女と獣であるという以上に惹きつけていた。少女はいつだって強気で短い命を精いっぱい生きていた。火薬を使って燃える燐寸のような、そんな生き方だった。彼女の命が燃えれば燃えるほどに首のあざは濃く、広がっていってそれはチョーカーのような模様を模していった。]
(58) 2015/10/11(Sun) 12時頃