―ドラコとアーサーのワンダートラベル―
さて、さて。紳士淑女の皆様方、準備はいいかね?
[鼻先をつき合わせるドラゴンたちの輪の只中で、一匹の三毛猫が言葉を紡ぐ。
主人公格のドラコが幼竜であるため、アーサーが取り仕切るかたちになっている]
――まあ、吾輩たちの戦法は、例年どおりで良いだろう。
諸兄らの力で卵を守り、吾輩とドラコが遊撃に回る。単純明快というやつだね。
[何しろ、映画のストーリーがストーリー(>>0:32)だ。
幻想世界で最強ランクに位置づけられる龍族が何匹も出演している。このアトラクションも然りだ。
だから、自陣の防衛には、小細工もなにもない。ただ、四匹の龍が、それぞれが一つづつ卵を守っているだけだ。
北限の氷龍ジリヤ、南溟の水龍アオイ、空を翔る天龍ライトニング、地底の暗黒龍トルトニス――これが今年の守り手たちだった]
あとのひとつは、吾輩とドラコが持っていよう。それで宜しいかな?
[轟、と。龍たちの咆哮に、髭がぶるぶると震える。全く頼もしい]
(58) 2015/04/24(Fri) 21時頃