[サクラバがこっちへ来ると言っていたから、僕は海岸の端っこから
くるりと周囲を見渡してみた。
声を聞いてからまだそんなに経っていなかったから、まだだろうとは思いつつも、別れ際にあさっての方向を指していた人差し指が気になって。
さすがに行った道を帰る事くらいはできるか、と、苦笑と共に忘れることにしたんだけどね]
じゃあ先にフランクだなー。
[彼は近い。僕はまだちょっと寝ぼけたまんまで、
漁村の入り口へと向かった。
船室から居なくなったサドーの声は、
聞こえてこない。
年寄りなんだから朝は早いだろうに、と誰に見せるでもなくわらった僕の顔は、ほんの少しの寂しさと、彼の人殺しの顔が見られるかもしれないという楽しみが滲んでいたかもしれない。]
ふらんくー いるー?
[すこーし小声で呼びながら漁村の入り口へとたどり着く。
彼と合流できたのなら、昨夜のことをすこし話したりしただろう**]
(58) 2015/03/06(Fri) 18時頃