[いつの間にか、ゲームをリタイアした人々の姿も見えるようになっていて。ナユタが居るのには驚いたけれど、トルニトスと話しているのを見て、ああやはり元のあいつは──宇宙人の玩具は、自分が消してそれきりなのかと、寂しく思った。
こんな風に消えてしまうとわかっていたら、自分はナユタを倒さなかっただろうか。わからない。]
帰らなかったら宇宙人が代わりに俺をやってくれるんだろ? 万々歳じゃねーか。
[求められているのは軽井沢家の三男という立場と、それに恥じない振る舞いだけで。入れなかった大学も勝手に裏口入学させるような家だ、中身が入れ替わったって問題なんてないんだろう。
そんな物思いに耽っていたから、ガストンが声をかけてきたことには最初気づかなかった。聞こえていないと思ったのか、彼はヤンファの方へ向かう。]
はっ、てめーなんて小鬼に食われて終わりだよ。
[バトル馬鹿め、と鼻で笑って、まだ動かず立ち尽くしたまま。]
(57) HISANO 2011/08/02(Tue) 21時頃