>>55
[ドーベルマンはその右腕に噛み付くと、
そのままセシルを引き倒す。
こうなると、通常は犬は主導権を握ったも同じだ。その腕を離さず、そのまま今度は身体を押さえ込んで、むしろ噛みちぎろうとするだろうが、
ジェニファーはそこで、また口笛を吹き、犬に離れるよう促す。
ドーベルマンはその命令に引き、セシルのナイフはその黒い身体を掠めることになるが、そこは獣。危険を察すれば、すぐに離れ、彼に対して低い姿勢をとった]
アナタ、なかなかの戦闘派なのね。
その子をナイフで傷つけるなんて。
[穏やかにいうが、その実、目は据わっている。
右腕から滴る血は黒いスーツに飲み込まれるが、それより、犬に噛まれたセシルの腕がみるみる血に染まるのをみて笑った。]
噛まれたことあるから知ってるわ。
鋭い牙で抉られるとね、血は止まらないし、
それは耐え難い激痛なのよ。
[そして、タンッと、グロックを一発、セシルへ撃ち放つが、なんせプロではない。そう簡単に急所には当たらないだろう。*]
(57) 2015/02/15(Sun) 22時半頃