[殴る、という選択肢を思いつく隙もないまま、俺は団十郎の方を向かないようにしながらブランケットの端をぎゅっと掴む。
出来るなら立って走って逃げたいところだが、腰に力が入らない。それどころか――――。]
あんま、触られると…………多分、やばい
[穴があったら入りたい。
いや、ある意味既に入れられた後か。
なんて、どうでも良い事を考えてしまうのは、俺が混乱している証拠だ。
団十郎の手に触れられて、それだけで思わず下肢が反応した、なんて笑えない。]
ほっといてくれたら、多分、収まるし
団も、あれっしょ、汗かいてるだろうし、
…………風呂入ってくれば?
[はは、と声だけで笑う。演技だ。
しかし、ブラウン管の中でみせるそれとは違って、何とも完成度が低い自覚はある。
迂闊にも反応した性器を見られないように足を閉じて、身を縮こまらせる。
それでも団十郎の手が伸びてくるならば、拒めはしない。**]
(57) 2017/06/03(Sat) 01時半頃