……≪真理≫はただひとつ、死ぬのはあなたですよ。
[ >>41バラバラ――と、銃弾の弾幕が再び唸る。
既に先程の発砲音から動き出していた、その巨躯。
入り口付近に歩み出たところで――、
既に、もう間近にその弾丸の≪帯≫はあった。
口汚い言葉には、どこか余裕の残る声で≪宣告≫する。
前を見据えるは、眼前の建物の影にいつの間にか佇む、雄々しき黒き≪騎士≫の姿。自分の背後の影にはポーンをひとつ。即座に後ろに飛ぶかのように、ポーンを『擦り抜ける』。
――そして、躍り出るは、
騎士≪ナイト≫の位置する向いの建物の側面へ。
その直前弾丸はジャケットの上を掠め、左腕に軽く擦る。
奔る熱い痛みには、『ラスが無茶した時よりマシだな』と軽く笑い飛ばした、その直後、標的となったポーンが割れれば、また心臓がぎゅ、と強く握られるような感覚。
ただし、先程よりも遥かにマシなその感覚に、
奥歯を噛み締めるだけで――、狼狽えなんか、しない。 ]
(56) 2014/12/12(Fri) 23時頃