[>>47善人というやつは、善意に基づいて行動するから逆に困ることがある。
しかも力で敵わない以上、それを拒む術もなし。
遠慮というよりは何か、本能的な危機感が団十郎の手を拒ませようとしていたのだが、その理由は>>48あっさりと明らかになった。]
うひゃ……っ!
[尾骶骨に触れた掌に、ぞくぞくと背筋が震えて背が反った。
ただ驚かされた時とは違うリアクションと、いつもより高い声に俺自身が驚く。
どこから出たんだかさっぱり分からない。
分からない、が。]
あ、……か、掻き出す……?
や、いや、……それは、いいから……その、
[三文芝居どころではない、俺自身もびっくりな慌て具合だ。
首から上が一気に熱くなるのを自覚しながら、今だけはこの鬱陶しい髪の長さに感謝する。
振り返らなければ、赤くなった顔を見られることもない。
いやもう、ただひたすらに恥ずかしい。]
(56) 2017/06/03(Sat) 01時頃