[揺蕩う意識の中、一筋の光が差すように、自身の名を呼ぶ声>>52が届いた。
青い顔のまま振り返ると、オスカーの姿がある。]
オスカー、君、は。
[君は大丈夫なのか、と問おうとした唇を噛んだ。
大丈夫なはずなどない。彼は今必死に立っているのだろうと、自分を奮い立たせた。
浮かべた笑みはきっと上手くなかったけれど、それでも少し、鼓動が落ち着いたようだ。]
ノックス、立てるかい?
[蹲ったままのノックス>>40へ優しく声をかける。
今の今まで気づけなかったことに歯噛みしながらも、彼の様子を窺った。]
礼拝、堂。
[そこへ向かうというオスカー>>52、思い浮かぶのは先程の棺だ。
ごくりと唾を飲み込めば、先程込み上げたものの味がして眉を顰める。
しかし拳をしかと握り締め、確かに頷いた。
そのまま、オスカーの後に続くように、礼拝堂へと歩き出す。]
(55) 2014/06/23(Mon) 19時頃